女皇の書架
2023年01月公開
稀少本コレクターとして知られるミステリー小説家 南雲鏡子(なぐもきょうこ)。
ベストセラー作家の彼女は、奥日光に星唄館という屋敷を構え、
そこに支援する芸術家や使用人たちを住まわせていた。
この星唄館は南雲が買い取る前は「風唱館」という名で、
代々、その所有者は殺人事件の被害者となっているという曰く付きの館だった。
この館を購入する際、名前が気に入らなかった南雲は「星唄館」に改名したが、
「ミステリー作家が呪われた屋敷に住むなんて最高だわ」と、
自分が不審死を研げた場合、
その死の謎を解明した者達に全財産を譲ると書き記した遺言書を書いた。
そして、今日。
雷鳴轟く暴風雨の夜、
孤立した星唄館を訪れるかつて「魔女」と呼ばれた一人の女。
そして起こる殺人。
湖に浮かぶ孤島の洋館で、
女皇として君臨する小説家と彼女に虐げられる人々、
そして謎の女の思惑が交錯する。