山奥にある荘厳な佇まいの洋館の中で、今宵秘密の催しがおこなわれようとしていた。 参加者が皆一様に仮面をつけ、正体を隠し、曰くつきの美術品の競売をおこなう、仮面舞踏会。 宴の開演まであと3時間ーーそこには、既に5名の仮面たちが集っていた。 そのとき突然、館内に響き渡る客人招集の声。 息を呑む仮面たちの前に、主催者が現れ、衝撃的な言葉を口にする。 なんと、今回出品予定であった、最も目玉の絵画が保管庫から忽然と姿を消してしまったという。 「これより、この洋館にいたあなた方5名で、【本物の絵画を盗んだ犯人】を特定してもらいましょう。 開宴までに大人しく自供し、絵画を元通り返却さえすれば、大事にするつもりはありません。 しかし、そうでない場合…あなた方をこの館から無事に帰す訳にはいかなくなりますねぇ？」 こうして、主催者を交えた6名の仮面たち同士で話し合いがおこなわれることとなった。 それぞれの秘密を仮面の下に隠しながら、今宵どんな物語が繰り広げられるのだろうか？ 六重奏の仮面舞踏会、開幕ーー