プロレスマーダーミステリー「リング×リング」
『最強プロレス』の初代チャンピオンが決まる!
対戦するのは正統派のレジェンドレスラー〝マッスル多田〟とヒールの限りを尽くす悪の帝王〝アイアンマスク〟。
歴史に残るであろう一戦を前に最強プロレスに携わる人間は、選手もスタッフも客もそれぞれの立場でテンションを高めていった。
そして迎えた当日。会場は5万人の観客が押し寄せ超満員。
熱い熱気が吹き荒れるリングは、これからの伝説の始まりを予見するかのようだった。
前座の試合を順調に消化し、いよいよ運命の試合が始まる。
アナウンサーの入場コールに乗せて、まずはマッスル多田が入場した。
マッスル多田のパフォーマンスに会場のボルテージは最高潮!
そして、いよいよアイアンマスクの登場曲がかかる。
誰もがいつものように爆発とともに登場する悪の帝王の姿を想像したが、爆発は起こらずいきなり照明が暗くなる。
そしてそのまま暗闇の中、音楽が流れ続ける。
何があったのかと客席がざわつき始めた瞬間、リングから音楽をかき消す程の悲鳴が響き渡る。
音楽が止み、照明がつきリングの様子が客席からも分かるようになる。
リングの中央には、マッスル多田が横たわり、その胸からは今まさに刺されたかのように血が溢れていた。
そして、その傍らには4人のアイアンマスクがその様子を唖然と見つめていた。
他にリング上にいるのはレフェリーのみ。
5万人の観客の前で行われた前代未聞の殺人事件の謎を解け!!