幸福の申請は自己責任で
2026年11月10日公開
「幸せになりたい。」
ただ、それだけだった。
私たちの暮らす現代とよく似た、少し先の未来。この国には、国民の幸福な将来を支援するための「幸福選択制度」が存在する。仕事、教育、住まい。人々は、自分の望む未来に必要な支援を申請することができる。そのためには、自らの持つ「自由」の一部を差し出さなければならない。国民一人ひとりの意思を尊重した、公平で合理的な制度だとされていた。
制度の窓口に二人の若者が訪れる。
安定した仕事を求める、19歳のアサヒ。
進学を望む、20歳のカナ。
二人を迎えるのは、窓口職員のマコト。
それぞれに事情があり、守りたいものがあり、諦めたくない未来がある。すべてを手に入れることはできない。何かを選べば、何かを失う。失ったものが報われる保証など、どこにもない。それでも、選ばなければならない。
今日を生きるために。明日を迎えるために。
「最後に確認します。この選択は、あなた自身の意思によるものですか?」
幸せになろうとした、どこにでもいる人々の物語。
これは、いつかのあなた自身の物語かもしれない。
作品を通じてあなたが何を感じたか、問いたいです。