應仁 西軍版
「応仁元年、東山殿(ひがしやまどの)、相国寺(しょうこくじ)にて散る──」
百余年、帝に代わって京(みやこ)より日の本を統べた幕府。
その現在の将軍である東山殿の凶報が京を駆け巡った。
当時、京では次代の将軍の座を巡って二つの派閥に分かれて争っていた。
西軍と東軍。
それぞれ十万を越す軍勢が、この狭い京に集結し、一進一退の争いを続けていた。
そんな最中、五山一角(ござんいっかく)の相国寺で起きた戦に巻き込まれ、将軍【東山殿】が命を落としてしまったのである。
──応仁。
戦乱続くこの世を憂い、平和を祈ってこの元号に改元された。
だが、その願いを嘲笑うかのように、戦はますます激しくなっていくばかりであった。