キートリオンの枯れ声
2020年11月01日公開
鬼才のカリスマ χカリズマが生み出す「黄衣の王」
——真っ黄色に塗りつぶされた異形の邪神像——
χとその作品に魅入られた者たちが集い
「キートリオン」と名乗る狂気の芸術家集団がうまれた。
χのアトリエに、ある日謎の文章が届く。
同胞殺シフセ荼毘ニ
χはこの文章について話し合いをするために、
3人の「キートリオン」メンバーを呼び出した。
「キートリオン」一番古株のαアルファ
人前に絶対に姿を現さなかった引きこもりのβベータ
最近、χに弟子入りした新入りのγガンマ
集まった4人の間には不穏な空気が流れていた。
χ「さあ、話を聞かせてもらうよ。
結果次第では、この文章の通り
今宵、荼毘に伏される者がいる——
……かもしれないね?」
冗談めかしたχの言葉に笑う者は誰もいなかった。
χのアトリエには人間だってまるごと焼くことができるような
巨大な陶器用の焼き窯がある。
狂気と策謀渦巻く腹の探り合いのなか、
更なる事件が起こる——
そんな確信めいた予感を誰もが感じていた。