いつかのアポカリプス
「絶望の果てで、人は何を想うか。」 1973年、フランスの占星術史ノートルにより残された著書「予言」が、 その後に起こる出来事を的中させていたことが話題となっていた。 火山噴火、大洪水、大地震などの凄惨な予言の最後には、 「50年後の7の月で、人類は終焉を迎える」とある。 —- 2023年、7の月になった現在。 人々は今日で世界が終わるかもしれない恐怖と、 それでもやってくる平凡な日常の間で、揺れていた。 ある者は予言を信じて人生を投げうち欲望を満たしたが、 大半は眉唾物だと気にもしていなかった。 そして何も変化は起きないまま、 7月最終日にとある焼死体が見つかる。 場所は、山奥に佇む古き良き銭湯「希望湯」。 その場に居合わせた5人が、調査を開始する。 これが、地球で起きる最後の殺人になることは まだ誰も知る由もない、かもしれない。