月を喰む唄
時は平成十年。
山深い土地にひっそりと存在する、
人口二百五十人ほどの小さな村。
そこでは古くから伝わる村の祭、
「月蝕祭」が行われようとしていた。
祭りの中心となるのは、
村に伝わる『月蝕らいの唄』と、
一人の舞い手による舞。
村人たちは提灯を灯し、夜店を並べ、
久しぶりの祭りに沸いていた。
その夜、一人の男が死んだ。
なぜ彼は死んだのか。
月蝕祭の夜、何が起きていたのか。
事件の真相を明らかにするため、
五人の男女が集められる。
五人は村を探索し、
残された手がかりを集めていく。
さらに、村人たちへ電話をかけ、
祭りの夜に何が起きていたのかを聞き出す。
限られた時間の中で、
どこを調べ、誰に話を聞くのか。
月が欠ける夜。
長いあいだ閉ざされていた村の秘密が、
少しずつ姿を現していく。
――月は、何を喰らったのか。