モノクロ館殺人事件
断崖の縁に、外界を拒絶するように佇む異形の館、通称「モノクロ館」。
色彩を失った館の主人・虹村色雄《にじむら しきお》は、彼が追い求めた至宝・白月《しらつき》の涙をついに手に入れた。
伝説の鉱石・月桥石《げっきょうせき》から成る白月《しらつき》の涙は、まるで月光を閉じ込めたかのような、神秘的な輝きを放っていた。
白き至宝の入手を祝う盛大なパーティー当日。空は猛烈な嵐に覆われた。館へと続く唯一の道は激しい土砂崩れによって寸断され、外界との繋がりは完全に断たれてしまう。
招待客のほとんどが足止めを食らう中、館に取り残されたのは、早めに到着していた客人と住人を合わせた、わずか八名のみ。
逃げ場のない「巨大な密室」と化したモノクロ館。パーティーは中止され、嵐が過ぎ去るのを待っていた...。
だがその夜、静寂を切り裂くように惨劇《さんげき》が幕を開ける。
モノクロ館の主人・色雄《しきお》が密室の中、自室で変わり果てた姿となって発見されたのだ。
館の外は荒れ狂う風雨。助けを呼ぶことも、逃げ出すことも叶わない閉鎖空間。
犯人は、間違いなくこの七人の中にいる。