壊された宝石ー幻惑のスファレライトー
《導入》
この世界は、私たちの現代社会とは少し異なる“if”の世界。
人間だけでなく、さまざまな種族が存在し、共に暮らしている。
今回は、皆さまにその世界に生きる宝石族の一員として、この物語を紡いでいただきます。
東京の閑静な住宅街、木々の緑に囲まれたモダンな2階建てのシェアハウス《ルミリナス》。
ここには、宝石族の6人の住民が暮らしている。 彼らは人間社会に溶け込み、ジュエリー職人やイベントプランナー、モデル、Webライター、デザイナーなどとして活躍を遂げている。
宝石族。
それは光り輝く髪と瞳、無性別故に美しい体を持つ彼らは、壊されても修復することができる特別な存在。
ただし、細かく砕かれると修復不可となり、それはほかの種族と同じ『死』を意味する。
彼らの住むシェアハウス《ルミリナス》は、宝石たちが互いを守り、外部の脅威——特に、宝石を装飾品に変える闇市場など——から身を隠す安全な場所。
1 階のリビングでは笑い声が響き、撮影スペースでは時には華やかなイベントが開かれ、工房ではジュエリー制作、作業部屋では衣装の作成、宝石たちの修復作業などが行われている。
そしてルミリナスメンバーの中心にいた人物、それがスファレライト。
光の加減で色を変える髪と聖母のような微笑みで、このシェアハウスの調和を保つリーダー的存在。
髪や瞳が光り輝く姿は、まさにルミリナスの誇りそのもの。
スファレライトのおかげで、自分たちは仲良く平和に暮らせている、そう宝石たちは思っているほどに、彼の存在は大きなものだった。
明日はルミリナス結成5周年のパーティーが開催される。
今日は準備の最終仕上げ、明日に向けて各々作業をしなければ。
きっと明日は最高の日になるのだろう。
全員が確かにそう思っていた。