最後の海
2026年03月15日公開
半年後、巨大隕石が地球に衝突すると報道された。
けれど、湊は、それよりも先に死ぬ。余命は三か月。世界が終わる前に、自分の時間が尽きることを知っている。
「みんなで終われるなら、怖くなかったかもしれない」
そう思った夜、湊は病院を抜け出した。
街はまだ動いている。電車も、店も、恋人たちの喧嘩も。終わるはずの世界は、驚くほど普通だった。
そこで出会ったのが灯。
健康で、家族もいて、世界が終わることを受け入れられない少女。
夜を重ねるたび、二人の距離は縮まっていく。
そして、終わりの時間もまた、静かに近づいていた。
この物語は、終わりを知った二人が交わす、静かで切ない夜の記憶です。限りある時間の中で、選び、寄り添い、そして残す愛の形を、どうか感じてください。