きっと犯人じゃない
2026年03月06日公開
β31。
それは精神疾患や記憶に関する障害を治療するために研究されている、”記憶喪失を誘発する薬剤”だ。
すでに動物実験では直近12時間の記憶の削除に成功していた。実用化されれば、とくに認知症やアルツハイマー症の治療に大きく貢献するはずだった。
研究が重ねられ、いよいよ人での治験が始まった。
20××年。2月21日。
あなたがたはとある医科大学の地下に設けられた施設へと集った。
そこから先の記憶はない。
――ない、とあなたがたはそれぞれに主張している。
気がつくと、閉じ込められていた。
携帯の電波は届いていなかった。地上へのドアはロックされている。大声で助けを呼んだところで外部からはなんの応答もなかった。非常事態に追い打ちをかけるように死体が発見される。あなたがたは残されたわずかな水を分け合い、分厚いコンクリートに覆われた地下からの脱出を試みる。
5人のなかに殺人鬼が潜んでいるかもしれないという懸念を抱えながら……。
私どもチーム『本館三階一号』のテーマは参加者全員が前のめりになれるシナリオ作りです。
人狼ゲームの初日に吊るされて退屈な思いをするのはまっぴらですよね? すなわち、なるべくモブのような役がでないように。手がかりを示唆するカードを引いた人が主人公になれるように。対話のなかで誰かの意外な一面を見て笑いあえるようなゲームであり、謎が解けても解けなくてもなんだかんだ楽しかったで終われば幸いです。