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江島志穂
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制作
ザ キャリーオン ショウ
1987年。 東西冷戦は終焉を迎え、マイケル・ジャクソンやマドンナが熱狂を呼ぶ光景は、それまでの閉塞感からの開放を象徴するかのようだった。 極東の島国、日本ではバブル景気を迎え、世界の映画館では『ラスト・エンペラー』が上映され、地球上のそこかしこで時代が変遷していく真っただ中だった。 イギリス、ロンドンから南に30km、小さな街、エデンブリッジにある「エトーラボラトリー」。 人気のないこの施設の前を、大抵の人間は気にも留めずに通り過ぎていく。 のっぺりとした灰色のコンクリートの佇まいは、まるで時が止まったようだった。 そんな施設の中、世の喧騒から距離を取りながらも、日々ささいな幸せや努力を積み重ねている研究員達がいた。 政府からの要請で生物進化学の研究が行われており、研究員や被験者の食料や、あらたな被験体である動物のケージが、時折裏口から運び込まれるのだった。 今日もまた、同じ日の繰り返し――そう思われたある日、全員が昏倒から目覚めた会議室で物語は始まる。