■ストーリー
【シナリオトレーラー】
移住者を手厚く支援する”宇和谷(うわたに)集落”の奇妙な風習を取材しにきた雑誌記者たち。
それは台風の日に、山の上の集落”宇和山(うわやま)集落”の住民が”宇和谷集落”の住人に宴を催すというものだった。
雑誌記者をはじめとした客人(まれびと)たちも、”宇和谷集落”の住人と共に歓迎を受けるが、その日の晩に発生した土砂災害に巻き込まれる。
多くの命が失われながらも、命からがら生き延びた来訪者たち。しかし、住民から災いを持ち込んだ疑いを掛けられてしまう。
来訪者たちは潔白を証明するため土砂災害の真相を調査することとなる。この集落に災いをもたらしたのは誰なのか。そして風習の裏に隠された目的とは?
現代怪奇マーダーミステリー『蟒蛇谷』
人の地は神の地に還る。
【物語の背景】
平安時代の末期、壇ノ浦の戦いで敗走した平家の者が従者と共に宇和山集落に逃げ延びた。落人たちは宇和山集落に匿って欲しいと願い出た。集落の人々は、匿う見返りに集落を襲う八つ首の大蛇の討伐を依頼した。もはや他に行き場のない落人たちは大蛇に決死の戦いを挑んだ。大蛇は激しい嵐を起こし暴れ狂うが、いくつもの夜を超えた戦いの末、落人たちは大蛇の首のうち七つを斬首して見事討伐せしめた。集落の人々は落人たちに大蛇のねぐらであった谷を譲り渡した。やがて、谷にも人の営みが栄え、宇和谷集落と呼ばれるようになる。そして、大蛇との戦いを想起させる嵐の夜は、宇和山集落の住人たちは宇和谷集落の住人たちをもてなして、かつての戦いを称えるようになった。
時は流れ1970年。人口爆発に伴い宇和谷集落は宅地造成地として選定され、多くの世帯が流入。平家の隠れ里は平凡な住宅地に変貌した。しかし、嵐の夜の風習だけは今も生きている。
この風習への関心や、宇和谷に因縁を持つ客人たちが奇しくも、嵐の前夜に宇和谷に集う......。
店舗より
『孕神島』で好評を博した、渡成櫂 氏による現代怪奇マダミス第二弾!