■ストーリー
夜、雨の中、馬車は進む。
馬の手綱を握るのはまだ青い剣士。
雨よけのフードの下の顔はどことなく不安げ。
キャビンから漏れる光が二人の影を形取る。
一人は手持ちのハープ、リラを持つ吟遊詩人。
一人は胸元に大きな宝石をたたえる聖女。
聖女は港に向かう。
来たるべき決戦のために。
明日聖女は死する決戦を迎える。
剣士と吟遊詩人は港までの護衛。
ほんの些細な一幕に過ぎない、
しかし剣士と吟遊詩人にとっては
大きな決断と離別の物語。
旅路の先に待つ終わりが、
誰にも知られることなく、
静かに始まろうとしていた。
馬車の影は夜に溶けていく。
雨はただ静かに大地を叩く。
三人の行く末を歌う遠い旋律。