■ストーリー
「で、これがその心霊写真? 三日も徹夜して撮った? あ、それもカンするで」
「しかも今どきフィルムカメラって。気持ち悪いレベルのこだわりね。リーチ」
「へえ……それで、これ、お前が撮影したのか? あ、じゃあこっちもリーチっと」
「ロンですわ、中(ちゅん)のみ千点。……ええ、もちろんですわ、わたくしが苦労して撮った奇跡の1枚ですのよ。オカルトの歴史を一新する傑作であると胸を張って言えますわ。ほら、もっとよく見てくださいまし」
そう言われ、卓の中央に置かれた写真をのぞき込む三人。しかし、すぐさま虚を突かれたような声が響く。
「は、ロン? 中(ちゅん)のみ? そこまで揃ってて?」
「あたしの三倍満四面(さんばいまんよんめん)待ちがそんなクソ手で……」
「私のドラ5単騎(たんき)……」
落胆する三人を見て、残る一人は愉快そうに笑う。「これこれ、これですわ。他人の高目を安手で流す瞬間こそ、このゲームにおける最高の愉悦(ゆえつ)ですのよ!」
三つのため息が重なる。
やってられないわ、とつぶやいて一人の女が席を立つまでそう時間はかからなかった。
「休憩よ、休憩。タバコ吸わせてちょうだい」
四人は去り、部屋は無人となる。
そして、彼女らが喫煙所から戻った時、すでに事件は起きていた。
先刻まで確かに雀卓(じゃんたく)の上にあった件の写真が、消えてなくなるという事件が──