■ストーリー
白く長い廊下の奥から、一糸乱れぬ足音が近づいてくる。
現れたのは白衣の軍団。五十嵐教授の回診だ。
『馬なり大学病院』
圧倒的な病床数。最先端の医療設備。 まさに、日本医学界に君臨する“巨塔”。
なかでも「心臓外科」は、命をつなぐ最後の砦である。
緊迫した現場をまとめるのはベテランの五十嵐教授だが、今年度での退任が噂されている。
教授――それは、すべての医師が夢見る栄光。医局の頂。
だが、それを手にできるのは、たったひとり。
次期教授の椅子を巡り、心臓外科医局内ではすでに二つの派閥が生まれ、
水面下での熾烈な競争が動き出そ うとしていた_
次期教授の座をめぐる権力争いの最中、医局で死体が発見される。
死体は嘘をつかない_
医師たちによる死体検案が始まる。