■ストーリー
彼女は天才気象学者だった。
そして多重人格者だった。
自身の内的世界に5人のフラグメント、すなわち副人格を有していたのだ。
クリティカル。
ナーチャリング。
アダルト。
フリー。
アダプテッド。
彼らフラグメントは、主人格たるオリジンの精神に発生した概念的ゲストハウスで、疑似的な生活を営んでいた。
オリジンからの「呼び出し」と「問いかけ」を待ちながら。
ゲストハウスの時間の流れは曖昧。
かりそめの人格。真似事の生活。乏しい変化。
昨日は明日のようで、明日は今日のようで、今日は昨日のようだった。
ずっとこうしているのだろうか。
ずっとこうしているのだろう。
そう思っていた。
しかし、
フラグメントのリーダー、ルートが殺された。
残された4人に分かっていたことはふたつ。
この4人の中に犯人がいること。
「マージ」が始まってしまうこと。
「つぎのわたし」とは、一体どんなことだろう。