■ストーリー
寺の古びた掲示板に、一枚の紙が揺れていた。
「怪談会のお知らせ」――墨の文字は、誰かの怨念を染みこませたように、私を呼んでいるかのように滲んでいた。
寺が用意した怪談の朗読会だという。
ただの催しにすぎないはずなのに、足を止めた瞬間から胸の奥でざわめきが広がる。
行かなければならない。そう思わせれる理由など、どこにもないのに。
やがて始まるのは、虚構から紡がれる物語。
虚構が、誰かの口を通して現実となる夜。
それを聞いた者は二度と元には戻れない。
店舗より
EGGミステリー倶楽部田中紅白氏による特別出張公演です。