明治百五十七年
2024年04月18日公開
時は令和六年。
坂の上にある邸宅で、『批評家』が死んだ。
眼窩(がんか)には愛用の万年筆が深々と突き刺さっている。
万年筆は脳に達しているだろう。
頬を伝う黒いインクは、『批評家』の涙にも思えた。
さて、事件現場に居合わせたのは『純文学作家』『刑事ドラマ脚本家』『古本屋』『ゴーストライター』と、本にまつわる職業の4名だ。
4人は互いを不審に思いつつ、全員が家の中に入りたがっている事を理解する。
家主の不幸も知らぬまま、4人は家の中へ入って行く。
"偶然"居合わせた事は"偶然"ではない。
だが"必然"と言うには高尚(こうしょう)すぎる。
言うなれば"選択"。
あなた達はここに居合わせるという"選択"をした。
ただ、それだけの物語。
マーダーミステリーも、謎解きも、ボードゲームも、ストーリープレイングも遊べるUZUだからこそ作れるものを目指しました。
だけどテストプレイの結果、「そんなものはつまらない」と分かりました。
いや、きっと全てを包括する力量が自分に無かっただけなのだ。
そして、"作者がやりたいと思うマーダーミステリー"だけが残りました。