Scarlet sage -サルビア-
2024年07月20日公開
「……って言うんですか?!」
女の子の怒鳴り声で意識が覚醒する。目を開けると、白い天井があった。
「ヒカリ!目が覚めたんだな、よかった…。」
男の子の声が聞こえそちらに目をやると、警察官のような中年の男性と、高校生位の男女がいた。
中年の男性は本当に警察官らしく、警察手帳を私に見せながら簡単に自己紹介を済ませると神妙な面持ちで続ける。
「目覚めたばかりで申し訳ない。…ヒカリさん、貴方のお父様が昨晩何者かによって殺害されました。その件で少々お話を伺いたいのですが。」
…ひかりさん。私を見てそう呼びかけている。…父親が、殺された?
ぼんやりしていた頭が徐々にはっきりしてくるとともに、自分の異変に気付く。
「……記憶が、ありません。」
「なんですって。」
困惑する警察官と、目を見開く女の子と男の子。女の子は今にも泣きだしそうな顔になり、男の子は何かに対する怒りをこらえるような顔で拳を握りしめていた。
はたして、事件の真相にたどり着くことは出来るのだろうか。
はじめまして、作者のユキです。
誰かを大切に思う心を体験していただければと思い今回のシナリオを作成しました。
探偵役(確定で犯人ではないポジション)のマカベは上記RPに入り込むことが難しいため、調査を行い推理することで楽しんでいただければと思っております。
ただし、情報が出揃うことでどんなロールプレイも虚しく真相が暴かれるというのはこのシナリオのコンセプトとは異なるため、選択によって取得出来ない情報が発生します。各PCの発言を聞きながら、必要と思う情報を選ぶことも楽しんで頂きたいですが、明確な推理導線がない状況を好まない方はプレイを避けて頂いた方がいいかもしれません。
シナリオでは多々見かける、「代わりに犯人になる」「殺人を犯す」「大切な人が罪を犯している」という状況ですが、現実で起こることなんて無いに等しいと思います。そこをなるべくリアルに体験して頂けるよう頑張りました。
文章量にかなりの差が出てしまい、読み込み時間手持ち無沙汰になってしまうキャラクターが存在しますがご容赦頂ければと存じます。
楽しんで頂けると嬉しいのですが…。