死神はトリックをかたらない
2023年08月25日公開
人間はいとも簡単に重要な何かを見逃し、思い込んでは錯覚する。誰もが持つその性質を利用して、見る者を欺き、不可能を可能にするエンターテインメント――我々は、それを奇術(マジック)と呼ぶ。
某日某所、人里離れた小高い丘の上に建つ幻想邸(げんそうてい)と呼ばれる邸宅で、奇術師たちの会合が行われていた。主催者は千の奇術師、司丹神朔夜(しにがみ さくや)。カードにコイン、カップはもちろんのこと、大規模な消失マジックや脱出イリュージョンまで、彼にできない奇術はないと言われるほどの人物である。新ネタの開発頻度やトリックの斬新さも高く評価されており、彼が開く会合には毎年多くの奇術愛好家が詰めかける。
だが彼には一つ、巷(ちまた)で囁かれている重大な噂があった。「司丹神の周りでは人が消える」と。知る人ぞ知るそのフレーズは参加者に一抹の不安を与えながらも、ある意味で彼のミステリアスな魅力を増幅させる一助(いちじょ)となっていた。
此度(こたび)集った者たちには、噂に関することか、あるいは別のことか、それぞれ彼への思いや目的があると見える。互いに多くは語らぬまま、表面上はマジックショーや奇術談議で賑わっていた邸宅の一室にて、息絶えた男性が発見される。それは、他でもない司丹神朔夜の死体であった。
自らを隠し、相手を欺け。そして、種とともに鼻を明かせ。奇術師たちのミステリー、ここに開幕。
◆制作陣コメント
定期的に打ち合わせを組みながら誰かと一緒にマダミスを制作するのは初めてでしたが、脳を2つ使える利点を存分に活かして、両者納得の作品に仕上げられたかと思います。
手がかり調査ありのプレイ画面v2対応シナリオですが、手がかりの確認・操作方法など、詳しい説明を載せていますので、v2シナリオが初めての方でも遊びやすいと思います。
(アラン校長)
アラン校長から湧き出るアイデアをうまく推理マダミスにまとめられたと思います。騙し騙される体験ができること請け合いです。
(k.inaba)
◆テストプレイ参加者より
・推理もコミュニケーションもバランスが良く、充実の物語体験でした。(Uさん)
・お世辞抜きで心底面白かったです! ウズ作品の中では文句なしで一番面白いのでは??(Rさん)
・ウズの大革命キターーー!!! テキストの量が少し多めですが頑張って! 推理もRPも大満足シナリオでした!(Nさん)
・楽しく面白いシナリオ!! とってもボリューミーで大変!! このトリックを見破れるか!? (Mさん)
・思ってもない展開と推理重視のシナリオでした。全員マジシャンですが色んなキャラがいて楽しかったです。 (Hさん)
・作者様が丁寧に作られた作品です。マダミスが大好き人は、お金を払って遊んでも後悔はしない作品です。ぜひ、遊んでみてください。(Sさん)
◆クレジット
キャラクターイラスト:水鞠涙
キービジュアル:MOSKI
ボイス:雨澤祐貴・羽鳥まみ