鋸鬼
2023年09月12日公開
時は元禄(げんろく)、綱吉の治世。
とある山中の寒村で、一つの遺体が見つかった。
遺体の状況は酸鼻(さんび)を極めた。胸から腹にかけての肉が、鋸(のこぎり)によって執拗(しつよう)に破壊されていたのである。
誰かが言った。
「〈鋸鬼(のこぎりおに)〉が来たんじゃ……。おお、きっと〈鋸鬼〉の仕業じゃ……」
降りしきる白雨(はくう)に閉ざされた村で、それぞれの思惑は交錯する。
「怪異」の存在をほのめかすフィクショナルな舞台設定ですが、モチーフは江戸時代の日本となります。どうぞよろしくお願いいたします。