二階堂優の事件簿 -ヘルメースの救済-
夏、旅行インカレに属する大学生6名は、サークル長が所有する宇売寿山(うばいじゅやま)のコテージで1泊2日のグランピングをする予定だった。
各自が、夏の思い出として素晴らしいものになるだろうと予想していた。
しかし、嵐は突然やってくる。
サークル長が死んだのだ、それも不可解な状況下で。
助けを呼ぼうにも電波は通じず警察に通報できない、下山はもちろん不可能だろう。
少なくとも、嵐が去るまではこの死体と一夜を過ごさねばならない。
それどころか、殺人犯がいる可能性すらある。
全員が固唾を吞む中、その沈黙を破るように1人の青年が彼らの前に現れるのだった。