深き地中のエンピレオ
民間宇宙旅行ベンチャー企業エンピレオ。
その代表であり将来有望な科学者である有木エリ(ありき えり)は、 自身の出身大学の掲示板にとあるバイトの募集を掲載した。
そのバイトとは、宇宙ステーションでの5日間の滞在を想定した閉鎖環境適応実験だ。
日当10万円という高額な報酬と内容の珍しさにひかれ、5人の参加者が集まった。
実験当日。集合場所に集まった被験者たちは目隠しをした状態で車に乗せられ、秘密の施設へと移動した。
5人を地下に入れると、地上に残った有木が鉄の扉を閉める。
この扉は実験終了日時になるとタイマーで自動開錠されるが、 それまで地下側からは絶対に開けられないらしい。
8月10日午前10時。ついに5日間にわたる実験が始まった。
地下実験施設は思いのほか広く、快適に過ごすことができそうだとわかる。
5人は互いに自己紹介を終えると、5日間の食事当番やシャワーの時間の割り当てを決めた。
地下の密閉空間は少し息苦しかったが実験は問題なく進行し、全てが順調のように思えた。
実験最終日の早朝、地上で実験をモニタリングしているはずの
有木エリが遺体で発見されるまでは……
地下実験施設で繰り広げられるクローズドサークルマーダーミステリー!
天才科学者を殺した犯人は誰だ!?