湯仕舞、午前一時
東京の下町。商店街のはずれに、煙突が一本 立っています。
銭湯「浅黄湯(あさぎゆ)」。創業六十年。今夜が、最後の営業でした。
番台に座るのは、三代目の 尾花さつき、四十歳。
釜場で火を守るのは、釜焚き三十年の 蓼沼惣一、六十六歳。
最終日の特別に、小さいほうの浴槽をよもぎ湯にしました。
緑に濁って、底が見えません。
二十四時。番台から「上がってくださーい」と声をかけました。
返事はありません。下足札は、全部 返っていました。
午前一時。湯を落とそうと、栓に手を伸ばしました。
緑の湯の底に、人がいました。
隣の町工場の二代目。二十年、この釜を無償で見てきた人です。
プレイヤー 2 名のみ・進行役(GM)不要で遊べる、協力型のマーダーミステリーです。
二人用のマーダーミステリーは、普通「相手が犯人」しか残りません。本作は犯人を「今夜の客 四人」のほうに置きました。四人とも、もう帰っています。二人は協力して、下足札の箱・番台のノート・湯温の記録紙から、帰った四人の足取りを組み立てます。
手がかりは二人とも同じものを見ます。違うのは「読み方の鍵」だけ。下足札の箱が返却順を保つことを知っているのは番台の人。薬湯の槽が循環に回せないことを知っているのは釜焚きの人。片方が黙っていると、解明度は 40% で止まります。
結果は勝ち負けではなく「解明度 ○○%」。最後に五つの問い(誰が・なぜ・何を使って・いつ・何を隠したか)に答え、正解 一つにつき 20%。犯人を当てただけでは 20% です。20% でも 100% でも、解答編は最後まで読めます。
同梱は PDF 8 本・全 44 ページ + ココフォリア用の貼り付けテキスト。進行役がいないので、代わりに三段階のヒント集を入れました。開いても解明度は下がりません。
・再プレイはできません(解答編を読むと終わります)
・流血や暴力の描写はありません
・銭湯の知識は要りません(用語はすべて作中で説明します)
・配信・動画投稿は許可しています(収益化を含む・事前連絡は不要)