斜陽の影が見えるもいまだ富める皇国アポロニ力。アポロニカにおいては華やかな舞踏会に出席して将来の伴侶を探すことが、貴族や上流階級の必須要件でした。しかし、次代の王である皇子はどういう理由か妙齢になっても舞踏会に一切姿を現しません。人々は皇子のことを噂しました。「皇子は社交的だが、舞踏会は好きではないのだ」「そして絶世の美男子である」「いや彼は顔に火傷を負って醜い。人前に出られないからだ」「いやいや庶民と道ならぬ恋をしているからパートナーを探す必要がないのだ」「いや⋯⋯皇位争いで既に⋯消されているのでは?」などと。そんな噂が流れては消えて、やがて新しい噂が生まれる頃、彼は突如、自らの私邸で奇妙なとても奇妙な舞踏会を開きはじめたのです。素顔を仮面で隠す『仮面舞踏会』を⋯⋯