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都心から160kmほど離れた山間に、廃墟がある。もとはわずか数十世帯の小さな村で、ある夜、火事で全焼した。水源に乏しく消火活動は困難を極めたが、谷は深く窪んでおり延焼することはなく、明け方に鎮火した。 この火事で谷間の石垣や樹木が痛み、風が吹くたびに、すすり泣きのような音が聞こえるようになった。まるであの火事で亡くなった人々の亡霊が、泣きながら何かを訴えているかのような……。 険しい山に囲まれた村は孤立していたため、政府は長年にわたって修繕を行ってこなかった。 そんな『忘れ去られた廃墟』に、今日、幾人かがやってきた……。