君の願い
2026年07月14日公開
「君の願い」
7年ごとの7月7日、7時7分――。
「星空神社」で願い事をすると、その願いは必ず叶う。
そんな伝説があった。
しかし今では、その伝説を信じる者はほとんどいない。
その日、街では大きなお祭りが開かれていた。
祭りで賑わう中、どうしても叶えたい願いを持つ二人の子ども、
双葉双太(11歳)と千葉希望(11歳)は出会う。
二人は、家族にも打ち明けられない大きな秘密を抱えていた。
それは、「殺人を告白する方がまだ楽だ」と思えるほどの秘密。
誰にも言えない想いを胸の奥に隠しながら、二人の物語は始まる。
本作の登場人物たちは、「ハートロック」と呼ばれる心の封印を抱えています。
ハートロックによって閉ざされた記憶や感情は本人にも認識できず、プレイヤーは自身の抱える秘密を知らないまま物語を進めることになります。
物語の中で複数存在するハートロックを解放しながら、登場人物たちは自らの心の闇と向き合っていきます。
また、18歳編から32歳編にかけて殺人事件が発生します。
しかし、その犯人が自分自身であったとしても、その記憶を抱えたまま生きることは精神的に耐えられないため、記憶は心の奥底へ封印されます。
そのため、自分が犯人なのかどうかさえ分からない状態で物語は進行します。
「君」の願い。
このタイトルにある「君」とは、一体誰を指すのか。
その答えは、32歳編――7月7日、7時7分に明らかとなる。
本作では、
・11歳編
・18歳編
・25歳編
・32歳編
4つの「7月7日」を通して物語が描かれます。
本作は、その第一章となる【11歳編】です。
☆☆☆ ☆ ☆☆☆
以下は本編ですぐに読み合わせする内容です。
☆☆☆ ☆ ☆☆☆
あの頃の私と双太君は、誰の目にも善良な子どもとして映っていた。
教師たちは私たちを褒め、親たちは将来を期待し、友人たちは何の疑いもなく笑いかけていた。
けれど、その薄い笑顔の皮膚を一枚剥がせば、その下には決して陽の当たらぬ暗い地下室のような心が隠されていた。
私たちは幼すぎる年齢には不釣り合いな十字架を背負っていた。
いや、本当に背負っていたのだろうか。
あるいは、その十字架そのものが私たちの妄想であり、罪悪感であり、決して開けてはならない記憶の棺桶だったのかもしれない。
私たちは真実を恐れていた。
だから心の奥深くに幾重もの鍵を掛けた。
錆びた鉄の鍵。
血の匂いのする鍵。
二度と開かぬはずの鍵。
そうして私たちは、自分自身ですら触れることのできない場所へ、ある記憶を封じ込めたのだ。
不思議なことに、秘密というものは共有した瞬間から腐敗を始める。
だが私と双太君の秘密だけは違った。
それは腐ることもなく、消えることもなく、まるで生き物のように私たちの心臓へ根を張り、少しずつ成長を続けていた。
私たちは賢かった。
賢すぎるほどに。
だから誰にも気づかれなかった。
罪を隠す方法も。
嘘を真実へ塗り替える方法も。
自分自身を騙し続ける方法さえも。
気づけば私たちは、優等生という美しい仮面の裏で、さらに新しい罪を積み重ねていた。
まるで泥沼に沈みながら、その上へ白い花を咲かせるように。
私と双太君は、目には見えない黒い糸で結ばれていた。
それは友情などという温かな言葉では表現できない。
もっと湿っていて、もっと冷たく、もっと不吉なものだった。
夜更けの井戸の底。
誰もいないはずの廊下から聞こえる足音。
閉じたはずの扉の向こうから覗く視線。
そんな説明のつかない不気味さが、その糸にはあった。
だから私たちは仮面を被る。
真実から目を逸らすために。
認めたくない事実を永遠に葬るために。
笑顔を作り、優しさを演じ、善人を装う。
そうして今日もまた、私たちは誰よりも上手に自分自身を欺き続けるのだった。
まるで、その仮面の下にいる本当の自分が、いつかこちらを見返してくることを知りながら。
リリースから1周年!
このたび、『瓜二つ』の導入編となる無料版『君の願い』を公開しました!
あの日、あの願いが何を生んだのか――。
その答えは、『瓜二つ』の中で明らかになります。